私と、代わってよ！！

サワディ・カー
高橋久美子です。

インドに旅をしたときのことです。

空港の待合室で、

近くに、小さい女の子を連れた
女性が座っていました。

大きな袋を持っていましたが、

その身なりや雰囲気から、

これから楽しい旅行に出かけるために、
空港にいるわけではないことは、想像できました。

その女性と目が合って、
大きな瞳で、じっと見つめられました。

言葉を交わしたわけではないですが、

なんだか、
何か訴えかけられているような気がしました。

インドは、まだまだ
カースト制が根強くあります。

がんばって、努力したら報われるとか、
チャレンジすれば、道が拓けるとか、

そういう可能性は、ほとんどありません。

それに比べると、
日本は、どれほどチャンスにあふれた国でしょう。

どれだけ私たちは、
恵まれた環境にいるでしょう。

そんな、私たちが、

あれがないから、これができないとか、
あれが足りないと、これができないとか、

そんなこと、言ってちゃダメですよね。

極端に聞こえるかもしれませんが、
現代の日本に生まれたということは、

神様に「起業しろ」と言われた、
と言ってもよいのではないでしょうか。

私は、インドの空港で出会った
彼女のその目が、

「チャレンジできる環境にいるのに、
その恵まれた環境を最大限に活かさないのなら、

お願いだから、私と代わってよ！！」

と、訴えているような気がしました。

私たちはたまたま、
自由の国ニッポンに生まれて育ちました。

全く同じ時代に生まれても、

ほんのちょっと、
緯度と経度がズレただけで、

チャレンジしたくてもできない人たちが
世界にたくさんいる。

その現実を、ちゃんと感じられたら、

自分がどれだけラッキーなのかわかるし、

自分の周りのいろんな問題が、
急に小さな事に思えるかもしれません。

今まで、先送りにしていた夢も、

「いやいや、こうしちゃいられない！」と、

ガンガン叶えていきたくなると思います。

 

高橋久美子